乳がんのタイプ
乳がんには進行が速いものから進行が遅いものまで、さまざまなタイプのものがあります。治療に使用する薬剤は乳がんのタイプによって異なるため、治療方針は乳がんのタイプが非常に重要となります。
乳がんのタイプは、針生検や手術生検を用いて判断されます。
妻の場合、針生検と手術生検とで、判断結果が全く違いました。
しかし、医療現場では妻のようなケースが頻繁に生じているだろうなぁと容易に想像できます。
いずれにしましても、以下のような項目から分類され、その結果に基づき、ホルモン治療、化学療法、分子標的療法などの全身治療が行われます。
ホルモン感受性(エストロゲン受容体(ER)・プロゲステロン受容体(PgR))
ホルモン感受性のある乳がんは、乳がん細胞内のエストロゲン受容体に女性ホルモンであるエストロゲンが結合することで増殖します。
乳がん全体の70%はホルモン感受性があります。
ホルモン感受性のある乳癌はエストロゲンの作用をブロックする「ホルモン療法」の効果が期待できます。ホルモン治療は5~10年の飲み薬が多いです。
HER2
HER2タンパクは乳がん細胞表面にある受容体であります。
HER2タンパクを多く持つ(HER2陽性)乳がんは増殖スピード・悪性度が高いことが分かっています。
乳がん全体の10~20%はHER2陽性です。
分子標的療法はHER2タンパクをピンポイントに攻撃することで治療効果が得られます。
HER2陽性乳癌では通常、「化学療法+分子標的療法」が必要となります。
Ki-67
Ki-67は乳がんの増殖スピードを示す指標です。
Ki-67が高いと乳癌の増殖スピードが速くなり悪性度も高くなります。
一般的にKi-67が20~30%以上である場合「高値」となります。
Ki-67は特に「ホルモン感受性あり・HER2陰性乳癌」において、ホルモン療法に加えて化学療法を追加するべきかどうかの指標として重要となります。